今この記事をお読みになっているあなたは、
「J:COMのネット回線がすぐ落ちる・・・」
「J:COMの通信速度が遅すぎて使い物にならない・・・」
といったお悩みを抱えていることかと思います。
J:COMのネット、めちゃくちゃ遅くて本当に嫌になりますよね。。。きっと藁にもすがる思いでJ:COMの通信速度を改善する対策を探しているのではないでしょうか。
お急ぎの方もいらっしゃるかと思うのでまず結論から言いますと、回線の加入者側でJ:COMのネット速度を速くする方法は、残念ながら一切ありません。
J:COMをはじめとしたケーブルテレビ会社のネットサービス(メタル回線)が遅いのは通信業界における物理的な法則によるものです。もしあなたがネット回線の通信速度を本気でどうにかしたい考えているなら、今お使いの「メタル回線」は解約して「光ファイバー回線」に切り替えることを強くおすすめします(「◯◯光」と名のつくサービスのことです)。
↓J:COMの「メタル回線」(×遅い)
↓「光ファイバー回線」(◎速い)
画像: 光ファイバー Weblio辞書
ちなみにITエンジニアとしては、通信の最大速度(Mbps)の観点から言ってNURO 光 を断然おすすめします。ケーブルテレビで起きうる性能問題はほぼ100%解決するでしょう。
↓NURO光はこれね(乗り換えなら絶対にここ、爆速)
今回の記事では「遅いと評判のJ:COM NETはなぜ遅いのか?(理由)」をテーマとして、設備面(ファシリティ)の観点からくわしく解説してみたいと思います。この記事があなたの悩みを解決する一助となれば幸いです。
NURO光(おすすめ)
目次
J:COM NETの回線スペックは320Mbpsが限界
とにかく「遅い」と評判の上記インターネット接続サービス、「J:COM NET」。
このサービスでは通信速度の一番速いコースが「320Mコース」となっており、
- 最大速度は320Mbps
- 月額料金は6,000円(税抜)
というプラン構成になっています。
【料金プラン】J:COM NET (2018.3 現在)
料金プラン | 月額料金 |
320Mbps(上限) | 6,000円 |
120Mbps | 5,500円 |
12Mbps | 3,980円 |
1Mbps | 2,980円 |
一般的な光ファイバー回線(1Gbps)と比較してもJ:COM NETは通信性能が圧倒的に低い(-68%減)ということが上記表から既にお分かりいただけると思います。
J:COM NET(ケーブルテレビ回線)は光ファイバー回線にはかなわない
当たり前の話ですが、インターネットの通信速度は遅いより速い方が絶対に嬉しいですよね。
ITエンジニアの僕はその点において、インターネット回線でJ:COM NETを使いたいとは思いませんし、極力避けるようにしています。
J:COMはケーブルテレビの最大手企業だけあって確かにテレビコンテンツはかなり魅力的です。ただ、それに付随するインターネット接続サービスはやはりイマイチという印象です。
僕はその道のプロとして一つだけはっきりと言えることがあります。
それは、
「ケーブルテレビ回線設備が光ファイバー回線設備に速度品質でかなうことは、絶対にありえない」
とういうこと。
光ファイバー回線というのは、いわゆる「◯◯光」系のサービスのことです。先述でおすすめしたNURO 光 も光ファイバー回線です。
回線速度の品質面において「CATV回線 <<< 光ファイバー回線」となる理由についてはあまり語られることはありませんが、J:COM NETが遅いのには「遅いなりの理由」がちゃんとあるんです。
J:COM NET(ケーブルテレビ回線)が遅い理由
実はJ:COMの公式ホームページ上に「J:COM NETが遅くなる理由」はしっかりと専門用語で表記されています。
ただ、その専門用語を一般ユーザーに理解させるような解説は一切されていません。IT初心者にとってその専門用語でサービス内容を説明されても、なんとなく煙に巻かれたように感じるでしょう。
どういうことでしょうか。ちょっとJ:COMホームページを見てみます。
J:COM NETのサービス紹介ページににアクセスすると、インターネット接続サービスについてはこんな紹介文が掲載されていました。
J:COM NET(インターネットプロバイダ) | ケーブルテレビ(CATV)のJ:COM
J:COM NETは、安定した幹線部に光ファイバーを使用し、お客様宅の近くから同軸ケーブルを使用するFTTN※1(ファイバー・トゥ・ザ・ノード)方式を採用。データを安定したハイスピードで配信可能です。
※1 HFCとも呼ばれています。光ハイブリッド (HFC) とは、ケーブルテレビ局から光ファイバーで配線し、途中から同軸ケーブルで各家庭まで線を引き込む方式をいいます。
字面上は一見なんだか「おおっ、すげぇ!」って感じますよね。ですが、この「FTTN」という接続方式はかなりクセモノなのです。
一言でいうと、「FTTN方式は遅い」という特徴があります。
光回線は【FTTH方式】だから速い
後述でおすすめするいわゆる”◯◯光”系のインターネット回線は、「FTTH方式」を採用しています。
これは「Fiber To The Home」の略語のことです。
文字通りですが、FTTH方式は光ファイバー回線(Fiber)を個人宅(Home)まで引き込む接続方式のことです。
FTTH方式ではONUと呼ばれる特殊な終端装置を自宅内に設置し、個人宅のパソコンのギリッギリ近くまでこの光ファイバーを引き込むことにより、通信の高速化を図っています。
ちなみに光ファイバーがなにか分からない方のために一応解説すると、理科の授業で習ったような光の全反射を利用している比較的新しい通信技術を用いた伝送路のことです。
光ファイバーは従来の銅線などと比較してノイズに強く、かつめちゃくちゃ高速な通信ができるという特徴を持っています。
J:COM NET(ケーブルテレビ回線)は【FTTN方式】だから遅い
対するJ:COM NETは、「FTTN方式」を採用しています。
これは「Fiber To The Node」の略語のことです。
FTTN接続方式とは、複数の分割エリアごとに設置した分配器(ノード)までは光ファイバー回線を敷設し、そこから先は低速なメタルケーブル(銅線)を数百世帯で共用する方式のことです。
上述の”◯◯光”のFTTH方式とJ:COM NETのFTTN方式の違いについて、とても分かりやすく示している図がWikipediaにあったので、引用します。
上の図では、図の下に行くほど高速な接続方式になります。また、ケーブル線の色はそれぞれ
- 紫色→光ファイバー(=高速)
- 黄色→従来の銅線など(=低速)
を示しています。
これらの接続方式の違いを簡単にイメージしやすくするために、それぞれのケーブル種別を「目的地までの交通手段」として例えてみます。すると、
- 紫色→新幹線による移動(=混雑しにくい)
- 黄色→乗用車による移動(=混雑しやすい)
と例えることが出来ます。
新幹線の場合、利用者が増えたとしても道中において基本的に渋滞はありませんし、目的地まで遅延することはありませんよね。
いっぽう乗用車の場合、利用者が増えると交通量が増えて渋滞が発生してしまい1車両1車両の流れるスピードはどんどん遅くなりますよね。
この交通量のことをネットワークの世界ではまさに「トラフィック」と呼び、発生してしまった渋滞のことは「輻輳(ふくそう)」と呼んだりします。
FTTH方式では家の玄関ギリギリまで新幹線がきているため、基本的に利用者増による通信の渋滞(輻輳)はありません※。
いっぽうFTTN方式では、車両が数台程度であれば快適に走らせることができるものの、車両が増えすぎてしまうと新幹線(光ファイバー)への乗り継ぎ場所である駅(分配器:ノード)へたどり着く前に渋滞に捕まってしまいます。
※FTTHが輻輳と全く無縁かといえば必ずしもそうではないですし回線帯域や網終端装置の共用世帯数にはもっと複雑な事情がありますが、ここでは回線種別の特性をより簡易にイメージしてもらうためあえてこのような説明をします。もっと適切な例があればコメントに頂けると幸いです。
J:COM NETの回線速度を上げる方法はないのか?
上記までの説明をざっくりと理解していただければ答えはすぐ出てくると思いますが、J:COM NETが遅いのは通信設備(ファシリティ)上の特性によるものです。
したがって、利用者側でJ:COM NETの回線速度を上げる方法は残念ながらありません。
しいて言えば周囲世帯のJ:COM加入者数を減らせば、相対的にある程度の改善は見られると思います(そんなことを自分で出来るかはさておき…)
ちなみに、J:COMが公式ホームページで提示する以下の対策方法について。
インターネットの速度が遅い場合の改善方法にはどのようなものがありますか?
→LANアダプターのDuplex(全二重/半二重)
→InternetExplorer(IE)の設定をリセット
J:COM側が示すこの対策ははっきり言ってやるだけ無駄でしょう。まさに焼け石に水です。
上の対策方法はパソコン側の「処理性能」に微々たる影響があるだけで、「回線性能」、つまり回線素材が持つ最大伝送速度に対してなんら良い影響を与えることはありません。
これもまた移動手段にあえて例えてるなら、せいぜい玄関の靴をランニングシューズに履き替えるぐらいの効果でしょうか。。。
J:COM NETが遅くてストレスとなっている場合、パソコンの設定をどうこうするのであはなく、「◯◯光」系サービスへ回線契約を切り替えること抜本的な解決方法となります。
ITエンジニアの僕が推奨するJ:COM NETからの回線乗り換え先
NURO光(絶対にここ一択)
J:COM NETから乗り換えたい「○○光」系のインターネット回線は多種多様にあります。
しかし、ITエンジニアの僕が技術的な観点からおすすめしたい光回線はSo-net(ソニーモバイルコミュニケーションズ)が提供するNURO光です。
我が家でもNURO光を使っていますが、通信速度に悩まされたことは一度もありません。速度は常時900Mbps超えでめちゃくちゃ快適です。
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【NURO光】900Mbps超え!回線・ネットワーク設定をカスタマイズして世界最速チューニング
NURO光を契約し世界最速を目指して速度をチューニングしました。
少し難しい話になりますが、NURO光は"G-PON"という次世代通信技術を日本国内で唯一採用しているレアな通信事業者です。
とにかく回線内におけるデータパケットの伝送効率がめちゃくちゃ優れていて(最大2Gbps)、通信品質で選ぶならNURO光が「1強」の時代になっていることは間違いありません。
ネットワーク関係の仕事に従事するエンジニアなら、みな太鼓判を押すであろう通信系サービスといえます。
ただこのNURO光、対応エリアや導入可能な建物がいまのところ限られています。
以下のエリア検索ページで現在のお住いが対応エリアとなっている場合はNURO光一択で、そうでない場合は別の光回線を選ぶといいと思います。
【エリア検索】NURO 光 (公式サイト)
auひかり
もし現在のお住いのNURO光の導入に対応していなければ、次点でauひかりをおすすめします。
auひかりはNURO光のG-PON技術を採用していないものの、NTT系のフレッツ光回線とは異なる設備系統(=かつてのTEPCOひかり回線)を使用していることが特徴です。
auひかりの最大の強みはなんといっても既設のNTT電話線(モジュラーケーブル)を使った半端な通信速度のVDSLではなく光配線方式になりやすいということ。
ただ、NURO光ほどではないもののauひかりも首都圏エリア限定のサービスであるため、加入可能な世帯が限られています。対応エリアに在住の方は以下のページから申込みが可能です。
【エリア検索】au ひかりの対応エリア検索・申込み
ドコモ光
NURO光とauひかりのいずれにも対応していないエリアにお住まいの方は、ドコモ光がおすすめのインターネット回線となります。こちらは全国区なのでだれでも加入できます。
【エリア検索】ドコモ光の対応エリア検索・申込み
以下の記事でも紹介している通り、「v6プラス接続方式」に対応しているGMOのドコモ光はかなり高いパフォーマンスが計測されることを僕の方でも確認しているため、万人におすすめできると思います。
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【GMO×ドコモ光】v6プラス効果でめちゃ速い!通信速度とPing値の測定結果まとめ
GMO×ドコモ光のv6プラス効果(通信速度&Ping値)を測定しました。
最終手段:どうしてもJ:COMで通信速度を速くしたい場合(戸建て限定)
実はJ:COMは2016年から、通信速度が遅くなる原因であったFTTN方式ではなくFTTH方式を採用したインターネット接続サービスを手がけていたようです。
その名も「J:COM NET光 1Gコース on auひかり」。ただし戸建て限定、月額6,500円(税抜)からのようです。
参考リンク>>J:COMのインターネットに光1Gbps新登場!J:COM NET光 1Gコース on auひかり| ケーブルテレビ(CATV)のJ:COM
当初僕がこのニュースを聞いた際、
「光回線のファシリティ(設備)なんてJ:COMはもっていないはずなのに、一体どうやってFTTHを提供しているのか…?」
と一瞬考えましたが、上でおすすめしているauひかり回線の一部帯域をKDDI社から借り受けることにより、FTTHの提供を行っているようです。
つまり、実態は完全にauひかりとなります。
上記理由のため、回線の通信品質はauひかりのそれと全く同等です。
月額料金はちょっとお高めですが、J:COMの契約を維持したいという戸建て住まいのに方は検討の余地があると思います。
まとめ
今回の記事では、遅いと評判のJ:COMがなぜ遅くなりうるのかについて解説してみました。
FTTHの光回線とJ:COMのFTTN回線とでは備えているインフラ自体が違うため、どうしても遅くなってしまう…ということがご理解いただければ幸いです。
ひょっとしたらJ:COMの営業マンは、
「フレッツ光と同様に光ケーブルを回線に使っています!だから、速いですよ!」
と言葉巧みに誘導してくることもあるかもしれません。
しかしそれを
「へーそうなんだ、速いのか」
と真に受けてしまわないように注意してください。
J:COMの本業であるケーブルテレビのコンテンツは結構いいと個人的には思うんですけどね。
テレビ好き、映画好きにはJ:COMはやっぱりたまらん、おすすめです。
【J:COMの評判】ユーザーから日々寄せられる「遅い」という怨嗟の声
J:COM NETユーザーのコメント(評判)を以下に集めてみました。
あくまで「テレビ屋さんの設備を代用したネット回線」と割り切って使わないと、ストレスが貯まってしまいます。
遅すぎるJ-COMの回線速度 その①|~Taro's Diary~
誰も160Mだから160Mの速度が出ているとは思ってもいません。
少なくとも半分程度は出ているかな・・・程度に考えています。
しかし実際はその10分の1程度。
J:COMのネットが遅いので。あまりにもひどいので…クレームを入れました。 - Binoculars's diary
5~6千円/月の利用料金を払っていて、1Mbpsを下回る速度しか出ない。なにをやってもイライラする。
騙された!? 遅すぎるJcomの回線速度。。。:tetsuのブログ2:So-netブログ
本来ならお試しで使用できれば良かったのだが…全く問題ないとの営業の話と金額が多少でも安くなるならと変更してみると…
実際は、感覚的にも結構遅いです。クリックしてワンクッションしてから画面が切り替わる感じ。。。正直、パソコンの調子が悪くなったのかと錯覚するくらい。。。
jcom、最近ホント遅い・繋がらない多いよなぁ…
— 875dyn (@875dyn) 2016年12月6日
まーた、この時間、JCOMの通信速度、超遅い
— えっち@ダメ女(でした。) (@etsu5) 2016年12月1日
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